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【農業×観光業】農業を通じて地元の魅力を発信!鳥取で観光いちご農園を営む河崎さんの挑戦

昨今、鳥取市の移住相談会でも就農したいという方が増えてきています。

そこで今回取材させていただいたのは、日本一空港から近い観光いちご農園『リトリファーム』代表の河崎真也(かわさきしんや)さんです。

Uターン移住し地元鳥取で独立就農した河崎さんに農業のこと、鳥取の魅力などについてお話を伺ってきました。

これから移住を検討されている方、農業に興味があるという方に少しでも参考になれば幸いです。

執筆者:吉井秀三

目次

プロフィール

鳥取市出身。鳥取環境大学在学中、当時まだ新しい学問であった組織行動論*に興味を持ち、それを学ぶことができる福島大学へ編入。

*【組織行動論とは】
例えば組織行動論の一つにモチベーション理論(人は何によってやる気が高まるのか、何を動機づけにして行動を起こすのかを研究した学問)があり、組織行動論ではそのやる気や意欲はどのようにして生まれるのか、人それぞれのやる気を高めるきっかけなどを考えるもの。

学生時代、組織行動論に興味を持った河崎さんはアルバイトをしながらとにかく学問に勤しんでおられたそうです。

大学卒業後は学生時代に学んできたことが活かせると思い、コンサルティング会社に入社。

実は前回こちらでご紹介した鳥取砂丘前のプリン専門店『Totto PURIN』のオーナーであり株式会社OMOI代表の川村諒志(かわむらりょうじ)さんとは同じ会社の先輩後輩関係。のちに河崎さんと川村さんの現在の関係も出てきます。

話を戻すと、具体的に農業コンサルティングがやりたかったという河崎さん。

その理由はご実家が農家で農業には元々親しみがあったこと、と同時に農家の人たちが口々に話す「農業は儲からない」という言葉に、何かやり方があるのではないかと常々思っていたことからだとおっしゃいます。

そこで会社での農業コンサルティングでは利益を得るやり方の事例を元に学んでいき、大変ながらも実績を積み上げ、29歳のときに自分でもできるのでは?という想いが膨らみ、独立。

いよいよ実際の農業の道へと進んでいきます。

チャンスを感じる鳥取で

河崎さんが農業をする場所に選んだのは地元である鳥取。

その理由は2つ。ひとつはやっぱり生まれ育った場所だから。もう一つは鳥取にはまだまだ農業のプレイヤーが少なく、特に河崎さんが現在手がけているいちごのプレイヤーは当時ほとんどいなかったから。

コンサル時代に培ってきた知識や経験から「鳥取」で「いちご狩り」というのは収益が見込めると思っていたという河崎さん。鳥取にUターンしご実家の農家を継ぐのではなく、いちごで新規就農。

県の農業研修制度を利用し資金を調達したり、そこで実際に作物を育てることを学んだり。
前職のコンサル業でも農業の仕事には携わっていたけれど、栽培することにおいては全くの素人だったとのことです。

さらに就農者もいない、成功事例も少ないいちご農園までの歩みは決して平坦なものではなく、厳しい道のり。それでも鳥取でいちごを作ることに価値を見出していたのは、他のエリアと比べてプレイヤーが少なく良い市場だと確信していたから。

鳥取において「人口が少ない」「農家が少ない」ともするとデメリットとも考えられるこの環境は、言い換えれば農業を考えている人たちにとってチャンスに溢れる場所だということを河崎さんのお話から感じました。

鳥取で農業をするメリット

2019年3月、鳥取空港のすぐ近くに観光いちご農園『リトリファーム』がついにオープン。

今や知る人も多い、鳥取で大人気のいちご農園です。

その認知度の高さの秘訣はマーケティング努力。

具体的にイベントなどへの出店やSNS活用で露出度を上げること。
ウェブサイトは河崎さんをはじめ、リトリファームで働いておられる皆さんで積極的に更新されています。

どのように販売し受注するのか、またどのように集客していくのか、こういった仕組みを知っていること。コンサル時代にマーケティングが専門だった河崎さんの強みです。

先にも述べたように農業プレイヤーの少ない鳥取で農業をするいちばんのメリットは、農産物をたくさん作ることができれば今から参入しても成功しやすい環境であると河崎さんはおっしゃいます。

もちろん栽培する農作物によって成否が分かれるという農業の世界。

鳥取は決して農産物を大量生産しやすい土地ではないと言われていますが、その分うまく作ることができれば売上を伸ばすことができます。

また特産品の後継者不足、耕作放棄地の問題などもあり、「人手が必要」「土地が余っている」という視点からは鳥取での農業の扉は開かれていると言えるのかもしれません。

農業×観光業 リトリファームのこと

人口が少ない=顧客の少ない鳥取で、作ったものを県内だけで販売するのは難しいといいます。

河崎さんはいちごをしっかり作っていくのと同時に、いちごを体験商品としてどのように販売していくかという視点で日々試行錯誤されています。

前述の「日本一空港から近い」という河崎さんの運営する観光いちご農園。この土地を選んだ理由は、とにかくその最高の立地!空港から徒歩5分のいちご農園というコンセプトの良さが決め手でした。

鳥取に観光に来て「ちょっといちご狩りしていこうかな」と思えるほど気軽に行ける距離が魅力。

またリトリファームのいちごは日本海の潮風による環境で甘いいちごになるそうです。

生産量は多くないけれどいちごが赤くなるまでに時間がかかるため、それだけゆっくり甘くなっていくので、糖度が高く高品質ないちごができると河崎さんは自信を持っておられます。

河崎さんの作る甘いいちごは、鳥取砂丘前のプリン専門店『Totto PURIN』でも味わうことができます。

コロナ禍での心境 リトリファームの今後について

いちご農園がオープンした翌年新型コロナウイルス感染症の流行があり、当時の心境などを伺いました。

コロナ禍でまず思ったのは鳥取県民の方への感謝の気持ち。
県民割などにも助けられて、いちご農園は予約でいっぱいになったそうです。

空港から近く県外の方が来やすいというのがアピールポイントだったリトリファームに、地元の方がたくさん訪れることとなり地域の方に知ってもらう機会になりました。

県外に出られないので、県内で楽しめることが求められていた当時。
開放的な立地も追い風となり、リトリファームは地域の人にとって身近で楽しむことができる場所になりました。

地域の魅力を地域の人がどう再発見するか、コロナ禍ではよりそういった点が見直されたのではと河崎さんは考えていらっしゃいます。

それでも今後はさらなる新しい視点が必要になってくると続けておっしゃいます。
県外の方も増えてくることを考え、いちご農園を観光業として展開していくため鳥取空港やバス会社とも連携を取っていく準備を進められています。

同時に河崎さんはリトリファームで正社員として一緒に働いてくれる方を現在募集されています。
農業未経験の方も大歓迎、さらにweb系の仕事をしてきた方など農業以外の違う技術を持った人にリトリファームで活躍してほしいとお話されます。

また農業はやはり体力的にしんどい面があるので仕事のミスマッチをなくすためにも、一度農業を体験してもらい、リトリファームのビジョンに共感し一緒に仕事を進めていける方がいればと考えておられます。

1日のスケジュール、鳥取のいいところ、気になっていること

リトリファームの朝は8時から始まります。7名程いるスタッフさんたちと午前・午後の部で17時まで農作業。その後河崎さんは事務作業で21時頃まで仕事をされています。
家に帰ると仕事から離れて、本を読んだりYouTubeを観たりゆったりと過ごされているようです。

河崎さんの思う鳥取のいいところは人が優しいところなのだとか。
シャイだけれど話しかけるといい人が多くていいなぁと思われるそうです。

それからやっぱり自然がたくさんあるところも鳥取の良さだとお話しされます。
自然豊かな鳥取だからこそ農業が活きるし、「鳥取で農業体験」というとちょっと面白そうだなと思うその切り口がいいと感じておられたり、暮らしながらまた働きながら鳥取の魅力を全身で味わっていらっしゃるようでした!

また鳥取砂丘や浦富海岸などもお気に入りの場所です。
アウトドア好きでもある河崎さんですが、普段の屋外での農作業はほぼアウトドアをしている感じだからとのことで、休日は昨年ご結婚された奥様と家で過ごすことが多いとおっしゃいます。

最近では開発が進む鳥取砂丘周辺も楽しみにみておられるそうです。
そんな河崎さんに鳥取で今気になっていることを聞いてみると、『Totto PURIN』の川村さんのお名前が挙がりました。

ご自身もUターンし鳥取で新たに仕事を始められたことから、鳥取で起業した川村さんの活躍ぶりにはとても刺激を受けておられるようです。

さいごに

視野を広く持ち、変化に柔軟に対応しながら真剣に農業と向き合う河崎さん。
今後農業体験を通してその楽しさを伝えていきたいとおっしゃる姿がとても印象的でした。

自然と触れ合い、そして立ち向かいながら河崎さんの農業への挑戦は続いていきます。

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この記事を書いた人

鳥取市鹿野町在住。東京で20年間IT関係の会社を経て、鳥取にUターン。
鳥取の魅力的な働き方ができる会社や、面白い働き方をしている個人の情報を発信していきます。

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