2025年5月、米子鬼太郎空港から台湾(台北)への直行便がスタートしました。
鳥取から台北まで、乗り継ぎなしで2〜3時間!台湾が、ぐっと身近に感じられるようになりました。
今回は、その直行便を利用して3泊4日の台湾旅へ。
九份のノスタルジックな街並みや十分(シーフェン)のランタン飛ばし、台北のグルメや雑貨めぐりまで、たっぷり満喫してきました。
スポットの数も多く、体験の幅も広い旅なので、気になるところから読めるように見出しごとにまとめています。
「ここ行ってみたい!」と思える場所を、ぜひ見つけてみてくださいね。
九份|ノスタルジックな街で味わう台湾の魅力

山あいの街に提灯の灯りが揺れる「九份」は、台湾を代表する人気観光地です。
今回はまず、旅のハイライトでもある九份の街歩きからご紹介します。
ジブリ映画の世界を想わせる「阿妹茶樓」でお茶体験

赤い提灯が連なる坂道の途中、ひときわ人だかりができている建物があります。
ここ「阿妹茶樓」は、映画「千と千尋の神隠し」に登場する油屋に似ていることから、九份の中でもとくに人気のあるお茶屋さんです。


席につくと、茶器とお茶菓子が並べられ、スタッフの方が日本語でお茶の淹れ方を教えてくださいます。
1回分の茶葉で5〜6煎楽しめますが、レクチャーがあるのは最初だけ。
あとは自分たちのペースで、たっぷりと湯を注ぎ、香りとともにそこに流れる時間を味わいます。


お茶菓子は、全部で4種類。
緑豆糕(リュウトウガオ)、奶梅(甘い干し梅)、黒糖もち、ごませんべいの順にいただくと、お茶の香りや苦味をより深く堪能できます。

日が落ち、あたりが少しずつ暗くなってくると、提灯の灯りがいっそう幻想的に。
ジブリ映画の世界に浸れる夜は、とくに混み合うため、時間に余裕をもって訪れるのがおすすめです。
九份の絶景を眺めながら味わう「古窗海景會館」の郷土料理


九份のメインストリートから離れた場所にある「古窗海景會館」は、素朴でやさしい郷土料理が味わえる穴場レストランです。

この日いただいたのは、麻婆豆腐をはじめとした台湾の郷土料理。
どの料理も全体的に甘めのやさしい味つけで、辛いものが苦手な方やお子さんでも安心です。


ガイドさんによると、「麻婆豆腐はご飯にのせて食べるのが本場流」とのこと。
実際に試してみると、ピリッとした辛さの奥に甘みがあり、香ばしい香りのご飯との相性も抜群でした。

九份といえば食べ歩きのイメージがありますが、雨の多いこの街では、室内でゆっくりと過ごせる時間をつくるのもおすすめ。
山の緑と遠くに海が見渡せる「古窗海景會館」は、まさに絶景を眺めながらひと休みできる映えスポットです。
焼きたてが味わえる「九彬江家餅舗」のパイナップルケーキ

「パイナップルケーキはどこでも買えるけど、ここがダントツでおいしい!」と、ガイドさんが太鼓判を押していた「九彬江家餅舗」。
お店の入口では試食ができ、なんと焼きたてホカホカ!
口の中でホロリとほどける、あたたかいパイナップルケーキを味わえるのは、現地ならではの特別な体験です。


さらに驚いたのが、箱を持ったときの“ずっしり感”。それだけ中身がぎっしり詰まっている証拠です。
シンプルな素材で作られているのに、賞味期限は約1ヶ月と長め。
あまりのおいしさと、スタッフさんのやさしさがうれしくて、つい自分用にも購入してしまいました。
日本語OK・試飲もできる「幺妹阿里山烏龍茶」

「阿妹茶樓」でお茶を楽しんだあとは、茶葉を買いに「幺妹阿里山烏龍茶」へ。
こちらもガイドさんおすすめの一軒です。
店内には、阿里山や梨山など台湾各地の「高山烏龍茶」をはじめ、「東方美人」や「金せん茶」など、種類豊富な茶葉がずらり。
茶器も一緒に購入できるので、おみやげ探しにもぴったりです。

スタッフさんは日本語が堪能で、クレジットカードも利用OK。
気になる茶葉はその場で試飲でき、香りや味の違いをゆっくり確かめられます。
知識豊富なスタッフさんが好みに合わせて提案してくれ、自分にぴったりの一杯に出会えるお店です。
九份で見つけた、自分だけの「花文字」

パイナップルケーキ、お茶につづき、台湾土産におすすめしたいのが「花文字」。
実はこの「花文字」を描く職人さんがいるお店は、九份でもわずか2軒だけです。
幸福や商売繁盛といった定番のほか、カップルや家族で名前を書いてもらうのも人気。
店頭で文字を伝えると、その場ですぐ描いてくれます。
ランチスポットとしてご紹介した「古窗海景會館」の斜め向いには、「九彬花文字画廊」があります。
筆の動きを見ているだけでも楽しいので、食事の前後にぜひのぞいてみてくださいね。
十分|滝とランタンで感じる台湾の風景
願いを込めてランタンを飛ばす「十分老街」

線路とランタンを飛ばす光景で知られる「十分老街」。
カラフルなランタンが並ぶ通りは、昼間から多くの人でにぎわっています。
ランタンの色にはそれぞれ意味があり、赤は「健康・安全」、黄は「金運」、青は「仕事運」、ピンクは「幸福」など。
願いに合わせた色はもちろん、推しカラーを選んでも大丈夫です。

ランタンを決め、筆で願いを書いたら、いよいよ火を灯して空へ。
ふわりと浮かぶランタンを見上げる瞬間は、誰もが思わず笑顔になります。
- 願いごとは、縦書き・四文字熟語・短めの言葉の方が写真映え◎
- 神様が誰の願いか分かるように、名前を入れるのもおすすめ
- 両手がふさがるので、カッパがあると安心
- 雨や風の強い日は飛ばせないこともあるため、天候チェックを忘れずに
迫力満点!水しぶきを浴びる「十分瀑布」

「十分老街」から少し足を延ばすと、台湾最大級の滝「十分瀑布」があります。
「台湾のナイアガラ」とも呼ばれるそのスケールは圧巻。
訪れた日は連日の雨で水が濁っていたものの、大きな音を立てて落ちる水の勢いに、自然の力強さを感じました。
滝の正面に立つと、全身がしっとりするほどの水しぶき。
マイナスイオンをたっぷり浴びて、心までリフレッシュできます。


滝までの道のりも見どころが多く、吊り橋を渡ったり、カラフルなフルーツを眺めたりするだけでも楽しい時間。
なかでも個人的イチオシは、バナナのようにねっとり甘い「釋迦頭(シャカトウ)」。
現地でしか味わえないフルーツなので、見かけたらぜひ手に取ってみてくださいね。
台北グルメを満喫!人気店&ローカルフード巡り
台湾の朝食。ローカル気分で一日のはじまり


台湾の朝食を味わってみたくて訪れたのは、24時間営業の人気店「瑞安豆漿大王」。
早朝にもかかわらず地元の人でにぎわい、店先には湯気を立てた蒸籠がずらりと並んでいます。

日本語表記を見ながら指さしでなんとか注文したのは、蛋餅(ダンピン)、大根餅、そしてあったかい豆乳。
どれもほんのり甘くて、朝食にぴったりの味わいでした。

2人で80元(約400円)というコスパの良さにもびっくり。
通りを眺めながらの朝ごはんは、台北で暮らす人たちの日常に少しだけ溶け込めたような、心地よい時間でした。
並んででも食べたい!「鼎泰豊」の小籠包

台北グルメといえば「鼎泰豊」の小籠包。
木村拓哉さんも来店したことがある超人気店で、この日もお昼時を過ぎていたにもかかわらず、105分待ちという行列ぶりでした。


おいしさの秘密は、素材と職人技。
豚肉は毎朝その日に使う分だけを店内で挽き、皮や餡のグラム数、上の折り目18個まで細かく統一されているそうです。
ちなみにこの“18個ルール”は日本進出の際に決められたもので、それまでは職人の感覚で包んでいたというから驚きです。

注文必須のオリジナル「小籠包」は、待つ価値のある逸品です。
まずは、レンゲの上にそっと小籠包をのせて皮を破り、あふれ出すスープをひと口。豚肉の旨みがジュワッと広がります。

つづいて、醤油1:酢3の割合で作った生姜ダレを少しのせ、熱々のまま、ひと口でパクリ。
思わず笑みがこぼれるおいしさです。




ピリ辛のゆでワンタンをはじめ、酸辣湯(サンラータン)、豚肉炒飯、蒸し餃子までどれも絶品。
スタッフさんの笑顔もすてきで、ひとつひとつの所作に品を感じながら、とくべつな時間を過ごせる名店でした。
活気あふれる「饒河街觀光夜市」で食べ歩き

「饒河街觀光夜市」は、台北のローカルな雰囲気を満喫できる活気いっぱいの夜市です。

まず外せないのが、行列必至の「福州世祖胡椒餅」。
香ばしい焼きたての皮をかじると、中から肉汁たっぷりのあんとスパイシーな黒胡椒が口いっぱいに広がります。

つづいて訪れた「歯牛香牛肉麺」は、奥にイートインスペースがあり、冷房も効いていて一休みにぴったりのお店です。
いただいた紅焼牛肉麺は、モチモチの平打ち麺に厚みのある牛肉がどっさり。
旨みのしみたスープと絡み合い、これだけでお腹がいっぱいになりました。


夜市には、レモンジュースや台湾風大学芋、臭豆腐など、食べたいものがまだまだたくさん。
どれもボリューム満点で、一晩では食べきれず…。次はぜひ、2日連続訪れたいと思うほどでした。
地元の夜を味わう「台湾式居酒屋」


別の日の夜に訪れたのは、地元の人たちでにぎわう台湾式居酒屋。
メニューに赤ペンで印をつけてオーダーするスタイルで、落ち着いてゆっくり注文できるのもうれしいポイントです。


運ばれてきたのは、できたて熱々の炒め物。ピーナッツや台湾バジルが香り立ち、シャキシャキとした食感がたまりません。
食べて飲んでも、ひとり1500円しないくらいとリーズナブル。
ただし、店内では喫煙される方もいるため、お子さま連れの方は注意が必要です。
台湾の夜をスタイリッシュに楽しむカフェ&バー


夜市や居酒屋とはまた違う雰囲気を味わいたくて訪れた「Range Bistrokaya」。
日本では少し珍しいお茶カクテルや、アヒルの卵を使った台湾料理のほか、ユッケやパスタ、フライドポテトといった馴染みのあるメニューも豊富です。

いただいたお茶カクテルは、ウーロン茶をベースに、オリジナルのティーリキュール、ローゼルティー、ピーチリキュール、ライムジュースを合わせたもの。
赤ワインのような深い色合い、香りも華やかで、見た目にも美しい一杯でした。

もうひとつ印象に残った「ソフトシェルクラブ」は、脱皮したばかりのカニに、アヒルの卵(黄身)の塩漬けという珍しい一品。
濃厚でコクがあり、香ばしいカニの風味と絶妙にマッチしていました。
落ち着いた照明に包まれた店内は、旅の夜をゆるやかに締めくくるのにぴったり。
ローカルとモダンが交わる、台北らしい特別な時間を過ごせました。
台北ショッピング&カルチャー散歩
台北の下町情緒が残る「迪化街」

昔ながらの建物が並ぶ「迪化街」は、乾物や漢方、布、民藝品など、台北の暮らしの香りを感じられるエリアです。


ドライフルーツにナッツ、カラスミのほか、九份でいただいた「奶梅(甘い干し梅)」もこちらで購入できます。


また、レトロ可愛い台湾花布を扱う市場もあり、布好きさんにはたまらない空間です。

そして、街歩きの途中で立ち寄りたいのが、地元の人にも人気の「妙口四神湯」。
25元(約120円)で手軽に味わえる蒸したての肉まんは、食べ歩きにもぴったりです。
台北の暮らしが息づく「迪化街」は、にぎやかで素朴な魅力にあふれた場所でした。
おしゃれとかわいいが詰まった「永康街」


「永康街」は、雑貨店やカフェが立ち並ぶトレンド感あふれる人気エリア。
迪化街の素朴な雰囲気とはまた違い、どこを歩いても“今っぽい台北”を感じられます。



まず立ち寄りたいのが、超人気雑貨店「来好(LAI HAO)永康本店」。
店内には、かわいい雑貨がずらり。
台湾土産で人気の「漁師網バッグ」もオリジナルデザインがそろっていて、かぶらないお土産を探している方にもぴったりです。

台湾スイーツの名店「思慕昔(スムージー)本館」は、ガイドさんいわく「マンゴーかき氷が台北イチおいしい」とのこと。
ボリューム満点なので、2〜3人でシェアするのがおすすめです。
「永康街」は、雑貨もカフェもとびきりおしゃれですが、その分お値段もちょっぴりお高め。
それでも、センスのいいお店が集まっているので、見て歩くだけでも十分楽しめます。
感性が刺激される「松山文創園区」


かつてタバコ工場として使われていた建物をリノベーションした「松山文創園区」。
レトロな雰囲気と現代アートが融合した空間には、若手クリエイターによる作品やデザイン雑貨がずらりと並びます。


アクセサリーや布小物、ステーショナリーなど、個性豊かなお店が立ち並ぶスペースは、まるでハンドメイドマーケットのよう。


SDGsを意識した商品や、伝統技術を現代風にアレンジした作品など、どれも見ているだけで心が躍ります。
惚れ惚れするようなデザインや、作り手の想いがこもった商品に出会える、ものづくりの息づく場所です。
台北で心を整える、癒しと祈りの場所
静寂に包まれる癒しの「林本源園邸」




「林本源園邸」は、台湾五大豪族(五大家族)・板橋 林家によって築かれた台湾唯一の庭園遺跡です。
風水を取り入れた建築や池の配置が見事で、歩くたびに景色が変わります。
街の喧騒を離れ、静けさと緑に包まれる時間は、旅の途中の癒しとなりました。
縁を結ぶ神様「台北霞海城隍廟」


迪化街の一角にある「台北霞海城隍廟」は、縁結びの神様として人気のお寺です。
日本語ガイドもあり、初めてでも安心して参拝できます。
ガイドさんによると、昨年10月に訪れた知人が、なんと翌年3月に結婚報告をされたそう。
そんなエピソードを聞くと、ちょっと立ち寄ってみたくなりますね。
金運アップを願う「松山慈祐宮」


饒河街観光夜市の入り口に立つ「松山慈祐宮」は、夜の街に輝く美しいお寺です。
右の「龍の口」から入り、左の「虎の口」から出るのが正式な参拝ルートだそう。
たくさんの神様が祀られていますが、とくに注目したいのは「虎爺様」。
祈りを捧げると、金運が上がり、巨万の富をもたらすといわれています。
夜景とフォトスポットを楽しむ「台北101観景台」

台北を一望できる絶景スポットとして知られる「台北101観景台」。
こちらも、風水を取り入れたデザインで、業績が伸びるようにと上へいくほど細くなる「タケノコ型」のフォルムと、大切なものを守る意味をもつ「鍵と鍵穴」のモチーフが施されています。

展望台からは、台北の街がきらめくパノラマが広がり、迫力ある景色を楽しめます。



フォトスポットも充実していて、訪れた日はハロウィン仕様のデコレーションが登場していました。
観光だけでなく、撮って・楽しめる映えスポットとしてもおすすめです。
鳥取から台湾へ!週末旅行にぴったりの直行便フライト情報
2025年5月29日にスタートした、米子鬼太郎空港〜台北(桃園国際空港)の直行便。
運航は月曜・金曜の週2便で、航空会社はタイガーエア台湾です。
2025年10月26日(日)〜2026年3月28日(土)の期間中は、以下のスケジュールで運航予定です。
| 区間 | 出発 | 到着 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 米子→台北 | 13:00 | 15:20 | 月曜運航 |
| 米子→台北 | 17:50 | 20:00 | 金曜運航 |
| 台北→米子 | 8:40 | 12:00 | 月曜運航 |
| 台北→米子 | 13:25 | 16:50 | 金曜運航 |
金曜の夕方出発便なら、当日の朝に準備しても間に合うゆったりスケジュール。
週末を使った3泊4日のプチ海外旅行が楽しめます。
フライト時間はわずか2〜3時間。あっという間に、台湾に到着しました。
到着は20:00ごろ。出発前に軽く食事を済ませておくか、機内食を予約しておくのがおすすめです。(※タイガーエア台湾は、持ち込みしたものの飲食禁止)
入国審査や荷物の受け取りのあと、ホテルへ移動すると21:00〜22:00頃になります。
旅の注意点&持っていくと便利なもの
- 九份・十分は、傘よりレインコートがおすすめ
- エアコンが強い場所が多く、羽織りものがあると快適
- セブン・ファミマが至る所にあり、日本のものも購入可
- 観光地でも現金オンリーの店があるので、現金は多めに
- 地下鉄を使うなら、換金時に小銭や小額紙幣を確保しておく
- トイレットペーパーが流せない場所がある
- 人が多い場所(九份・夜市など)では、スリ対策も忘れずに
旅を終えて感じたこと
日本語対応や日本円が使えるお店も多く、現地の方はとても親切。どの料理もおいしく、街は清潔で治安も良好でした。
フライト時間が短く、入国審査もスムーズなので、家族旅行やはじめての海外旅行にもぴったり。
すぐにでも「もう一度行きたい!」と思えるほど、心に残る旅でした。
鳥取から出発する台湾旅、次はあなたも体験してみてくださいね。
