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脱サラしてNPO法人を設立!障がいを持つ方の工賃アップに向けた多様な取り組み[NPO法人ひまわり倶楽部 曽根 節男]

「一人一人の個性を大切にしたい」

88歳とは思えないほど、イキイキと語り始める曽根 節男(そね せつお)さん。

曽根さんが理事長を務める「特定非営利活動法人ひまわり倶楽部」では、知的障がい者、精神障がい者に対して、就労支援と社会生活支援に関する事業を行っています。

近年では、障がい者の働く喜ぶ場を作るために、工賃アップを目指して商品開発や漫画づくりなども取り組んでいます。

今回は、そんな曽根さんの事業に対する思いや工賃アップに向けての取り組みなどについて紹介します。

目次

息子の働く場所をつくりたい!

曽根さんが障がい者に向けた取り組みをしようと考えたきっかけは息子の次男にあります。

「息子の次男が知的障がい者なんです。将来的に1人立ちして欲しいという思いがありまして、中学校を卒業してから、この際自分も独立して一緒になにかやろうと思って仕事を辞めました。そこで自分のビルを建ててなにかしようと思ったんです。」

「まずは1階をドイツレストランにして10年間営業してみました。しかし、次男はなかなか上手く事業をすることができず、別の方に任せることにしました。」

「そういったなかで、米子に障がい者の作業所ができ、まずはそこを利用しようと考えました。結局そこには10年通うことになったのですが、5年経っても10年経っても賃金は月1万円からずっと上がらないんです」

「だったら、自分が新たな作業所を立ち上げて、障害を持つ方の工賃アップを目指そうと決意しました。当時は通っていた作業所の保護者会の会長もしながらでしたが、独学で福祉の知識を身につけ、自分の力でNPOを立ち上げました」

事業所は、グループホーム、地域活動支援センター、B型作業所(就労継続支援B型事業)があります。特に最近はB型作業所の取り組みに力を入れているそうです。

B型作業所就労継続支援B型事業)とは

通常の事業所に雇用されることが困難であって,雇用契約に基づく就労が困難である者に対して行う就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供、その他の必要な支援事業のこと。

工賃アップに向けた取り組み(よもぎの入浴剤)

2017年4月にB型作業所をつくりましたが、それと同時によもぎの入浴剤の販売も始めました。

「B型作業所を作るからには、なにか仕事をつくる必要があります。そこで最初に選んだのは、よもぎを使った商品です。B型作業の開設と同時に製造をスタートしました」

「現在は製造ができるようにはなりましたが、販売がまだまだできてないので、促進する必要があると思っています。数カ所で販売しているだけで、今後は道の駅を中心に商品を置かせていただきたいです」

こちらのよもぎは、南国四国で育った良質なよもぎ(愛媛県産)を使用しています。100%国産なので安心、安全です。(※飲用ではありません)

お風呂に1パック~2パック入れてゆっくり手で揉むと、よもぎの素敵な香りに身も心も癒されます。小さなお子さんからお年を召した方まで、幅広い世代の方に楽しんでいただける優しいよもぎパックです。

「在庫としてはたくさん作っているのですが、これからどうやって販売していくのかが課題となっています。青谷の和紙とコラボしてデザインを良くして都会の人に販売していきたいです」

10パック(1袋セット)で550円。

ご家族に、実家のおじいちゃん、おばあちゃんへのプレゼントにおすすめです。

工賃アップに向けた取り組み(マンガ)

鳥取を舞台とした「ヤン王国物語」や「河童のきゅうちゃん」の漫画を制作して、鳥取の魅力をPRしています。

「鳥取が漫画王国をPRしていることをヒントに漫画の事業を始めてみようと思いました。プロの漫画家とコラボすることで、作品のクオリティーを高める工夫をしました」

「大山寺エリアや米子駅周辺など、昔に比べて賑わいがなくってきているので、地域活性化にも繋がればと思っています」

1作目のヤン王国物語は邪馬台国を物語としていますが、小さなお子さんや若者でも読みやすいような作画や内容です。

左:第1作目「ヤン王国物語」右:2作目「カッパのきゅうちゃん」

「ヤン王国物語」

「カッパのきゅうちゃん」

2作目のカッパのきゅうちゃんは地域の伝説に絡めて、面白おかしく地域の魅力がわかる内容です。

県から表彰をもらった実績もあります。

「今後は現在作っているマンガをできるだけ無料で配布して多くの人に知ってもらって、それで続きを作るのでそれは買ってくださいというかたちでできればと考えています」

余暇の音楽活動(ひまわりバンド)

余暇活動にも積極的に取り組んでいます。去年は奈良の天理で行われた音楽イベントにも参加しています。

「余暇活動をすることで、利用者の楽しみが増えると考えています。最初は乗馬をしていましたが、危ないと保護者の反対にあってしまい、色々と検討した結果、音楽活動をすることになりました。一人一人の個性にあった演奏やパフォーマンスで、ひまわりバンドを組み音楽活動を行なっています」

曽根さん自身も音楽に興味があり、とても楽しそうに話されていました。

CDの販売もしています。

個性を生かして、利用者と一緒に歩んでいく!

「今後は、施設の利用者が鳥取の中心になるような、常に目立つような存在になるように活動をしていきたいです。作業所には、音楽が好きな人、ミュージカルが好きな人、マンガ制作に興味のある人、色々なタイプの人が集まっています。どこに行っても度胸のある人ばかりなので、十分に可能だと思います」

「このような継続して活動していくためにも、どうやったら音楽パフォーマンスや入浴剤、マンガなどで収益化できるのかが課題となっています。そのために、日々試行錯誤しています」

88歳の高齢にも関わらず、最前線で工賃アップに向けて取り組んでいる曽根さんの情熱は計り知れないものがありました。

今後どのように活動を展開していくのか楽しみです。

NPO法人ひまわり倶楽部

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この記事を書いた人

とっとりずむ編集長。1990年生まれ。鳥取の新店舗やカフェを巡るのが大好き。鳥取暮らしが楽しくなる情報を発信します!

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