鳥取市

鳥取で注目の働き方革命!リモートワーク・複業可の学生人材バンクをインタビュー

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吉井秀三

鳥取市鹿野町在住。東京で20年間IT関係の会社を経て、鳥取にUターン。 鳥取の魅力的な働き方ができる会社や、面白い働き方をしている個人の情報を発信していきます。

鳥取の企業の中で、リモートワークや複業などの新しい働き方はまだまだ少ないと思います。
そこで今回は、鳥取でリモートワーク・複業可という柔軟な働き方を提供しているNPO法人 学生人材バンクの代表である中川 玄洋さんと、実際に働いている藤吉 航介さんに取材をし、その働き方や働きやすさなどについて伺ってきましたのでご紹介します。

最初に、NPO法人 学生人材バンクの代表 中川 玄洋さんにお話を伺いました。

中川 玄洋さんにインタビュー

学生人材バンクについてお聞かせください。

事業内容は、組織と外部人材のコーディネートです。

例えば、「鳥取で何かしたい!」という地域、企業と鳥取の学生をつなぎ、そのチャレンジを応援していく仕組みやキッカケを提供していくものです。

その中でも行政の仕事が8割程度で、2割が企業からの仕事です。

現状ではコーディネートする人材の大半は大学生で、社員は、鳥取に4名、米子に1名、北栄町に1名という体制で行っています。

リモートワークの働き方について

基本的に、パソコンがつながりさえすれば、オフィスへの出社義務はなく、好きなときに仕事をしてくれればOKです。

リモートワークができるようになった頃から、その環境は整えられていたと思います。

昔から実現できていたポイントとして、通信費の補助も出していて、自宅にネット回線がなくても、テザリングなどでアクセスできるようにしていたことです。

また大学生とのやりとりは、オフラインの資料や、会議など場所の制限をかけると帰省したときに対応しづらくなるので、日程などは今はgoogleカレンダーで共有していますが、会社として創業期(2004年頃)の段階からグループウェアや、社内SNSツール(Openpne)を使って遠隔でデータ共有やコミュニケーションができる環境を整えていました。
これは創業時にITに強い大学生がいたのでできたことだと思っています。

最近は大学生とのやり取りは、LINEグループを使うようになっていますが、定点観測しにくいことから社内SNSは今も活用しています。

会議については、新型コロナウイルスが広がる昨年までは集まってホワイトボードで行っていましたが、Zoomの法人契約をしてオンライン会議になりました。

大学生たちは集まるときは会いたいという声が非常に多いですが、社員は全然オンラインでも問題ないようです。

ですが、昨年末に社員で集まって合宿をした際、オンラインだけだと雑談をする機会が減ったので、距離感が難しくなったという話が初めて出ました。

今は、ミーティングの冒頭部に近況を軽く話す機会を作り、近況などを知ることであえて余白に余計な情報を入れて、相手への違和感をなくすようにしています。

複業(副業)について会社としての考えを教えてください。

「あなたの人生だから自分で決めよう」というのが団体で大事にしたいことです。

NPOはまだまだ収入が多い業界ではないです。経営者としては、そこを改善していくのは努めますが、社員の可能性や選択肢として、自分の時間を使い、収入やシゴトの幅を自由に広げることができるのはいいのではないかと考えています。

私自身は、複業としてこの団体を立ち上げました。
最初はやりたいことだけど食えなかった。だんだんと割合が多くなり、学生人材バンクとして成り立ってきたので、やりたいことにチャレンジする意味でも「複業(副業)はいい」という風に認識しているところがあります。

社員に対しても、1つの会社に縛るという気はさらさらありません。

特に私は会社の代表なので、他の業界の方と知り合う機会や会える場所は作りやすいですが、社員はそういう機会や場所が少ないので、使いたい、伸ばしたいという能力があり、それを受け入れてくてる事業者さんがいれば世界が広がるし、技術を活かすことができれば、それが主流になっていく可能性もあるのでいいことだ捉えています。

「同じ業種を複業にして独立したら競合になってしまうのではないか?」、ということがありますが、今のところは同じ業界で参入してもあまりおいしくないので、結果的にそこの問題はなく、複業を推奨してるところがあります。

現在どのような複業をされていますか?

お金がもらえる・もらえないを関係ないとして、考えると会社以外のプロジェクトとして、チャレコミ(事務局:ETIC.)、学生人材バンク、株式会社まるにわ、福部となりのがっこう、といったプロジェクトに関わっています。

全国・・・チャレンジコミュニティ(事務局:ETIC.)

鳥取県全体・・・学生人材バンク

鳥取市・・・株式会社まるにわ(鳥取の中心市街地の遊休不動産活用)

小学校区生活エリア・・・福部となりのがっこう

レイヤーごとに違う組織に関わっていますが、課題の規模感が違ってくるので、各組織でできないことがやれるというのが僕なりの複業の面白さだと思っています。

全体を通して人材育成をしていますが、例えば学生人材バンクでは鳥取県全域で面白い学生と面白い企業をつなぐということをしています。一方で、一部の地域だけに関わるということがなかなかできないので、プロジェクトを進めていく上で見合ったエリアにわけて取り組んでいます。

社員に対して働きやすい環境づくりなど、考えていることや提供していることがあれば教えてください。

良い使い方だなと思っているのは、1時間単位の休暇がとれることです。

例えば子供が熱を出して休む場合、半休をとったり、1日休みをとったりすると思うのですが、学生人材バンクでは1時間単位で休むことができるようにしています。

これは僕が行政の組織に所属した時に知ったのですが時間単位で休みを取ってました。これはいいなと。企業は一般的には半休か全休が多いので、この細切れ休暇の仕組みは、他の企業の人に良いなと言われてます。

これは、特に子育て世代が働きやすくなるし、まだ実施されていないところもすぐに導入できる仕組みではないでしょうか。

またリモートワークOKにしていると、さまざまな事情で出勤できない状況になっても、家で仕事をしてもらうことができます。

ちなみに、数年前の大雪のとき、1週間車が出せず移動のできないスタッフがいましたが、リモートワークOKだったので全く問題ありませんでした(笑)

急な予定変更や、天候によるトラブルに対しても難なく対応できるのが、リモートワークのいいところだと思います。

コロナ禍になって、周りの変化や会社として変わったことはありましたか?

昨年2月に小学校からオンライン教材を渡されたのですが、実際にオンライン教材で学習できた家庭が10%ぐらいだったと学校から聞きました。
鳥取に関してですが、リモートワークをほとんどやっていないというのが私の周りの声でした。
鳥取でオンライン対応できる人(家庭)は、はっきりとはわかりませんが、まだなかなか多くないということを感じました。

一方で、行政はオンラインの打ち合わせができるようになってきたので、移動時間が減り、より仕事がやりやすくなりました。

また東京に行けなくなったことで取引先なども自ずとオンラインに切り替わり、オンラインの手法を知って、仕事の依頼が来るようになったというところはありますね。結果的に売上は増えました。

またオンライン対応の機会が増えたことで、コロナ禍でアルバイトが減った学生向けに、企業から仕事を弊社で業務委託で請け負って鳥取の学生にオンラインの仕事を頼むプロジェクトも始めています。

今後鳥取で働きたいと思っている方や、県外の方で鳥取と関わりたいと思っている方へ、何かメッセージをいただけますか?

複業のマッチングプロジェクトなどもやっているので、大学生も社会人の方も興味があればオンラインで面談します。

社会人の方であれば、企業の兼業プロジェクトなどがあります。
もちろん、鳥取の大学生を企業や地域とつなぐこともできます。

ー最後にこれからリモートワークの実施や複業について考えていらっしゃる企業に対してー

最初から大きく会社の制度や仕組みを変えようとすると大変ですが、小さなことから手始めにやってみるとできることがあると思います。

採用や人材定着の面でも、働きやすい職場環境の方が今後は選ばれる会社になるので、早めに取り組むことをおすすめします。

最近の大学生は転職前提で就職活動をしたり、在学中に会社を設立する大学生もいることから、「複業ありき」というところがあります。今後は、そういった複業対応できる環境を用意しないと選択肢に入らなくなってしまうので、できることなら早く手掛けた方がいいような気がしています。

次に、学生人材バンクで働きながら、個人で複業をしている藤吉 航介さんにお話を伺いました。藤吉さんは三重県出身で、大学進学で鳥取に来られました。学生時代に学生人材バンクでインターンとして活動していたことがあるという藤吉さんは、今、どのような働き方をされているのでしょうか。

学生人材バンクで働くまでの経緯を教えてください。

学生時代には、NPOに就職して働くのは生き方として面白そうな印象は持っていましたが、就職先の選択肢としてはそこまでの想いは持ち合わせていませんでした。

大学卒業後は一般企業に就職し、全国転勤の会社でたまたま東京の配属になりました。

東京でさまざま情報に触れる中、事業と社会性を両立させようとしている団体があることを知り、非営利の活動の中でちゃんと事業を推進していくという取り組みに関心を持ちました。
そして、東京で保育系のNPOに転職し、その後自分のキャリアについて伸び悩んでいた20代後半に、大阪の会社へ転職しました。

鳥取に戻ってきたのは2019年4月。
現在、妻と6歳の娘と暮らしています。

鳥取で過ごした期間の印象が強く、「いつか山陰で暮らしたい」という話をしていたのですが、
なかなか「いつか」はやってきませんでした(笑)

きっかけが、むこうからぱーんっとやってくるようなことはなく、これは自分たちで決めるしかないなぁと思い、いろんなタイミングも重なり、鳥取に移住しました。

学生人材バンクの玄洋さんとは、東京や大阪で年1回、イベントでご一緒したり、交流を続けていたこともあり、鳥取に行くことを決めた際に一度お話をさせていただき、再び学生人材バンクで働くことになりました。

藤吉 航介さんにインタビュー

現在、学生人材バンクではどのようなお仕事をされていますか?

地域の受け皿づくりや情報発信を通じて関係人口の創出をめざす「おもしろがろう、鳥取」、企業の枠を越えて学び合う「企業共同研修」を担当していました。最近では、オンラインで広報や事務代行を行う「YELL FOR」を立ち上げました。コロナ禍で働きづらくなった方を在宅ワーク可能な形態で雇用し、埋もれた能力を活かす機会を提供しています。

企業研修については、コロナ禍でこれまでの当たり前が通用しなくなる中、特に小さな企業にとって、新しい学びを得る機会を作ることは1社単独では難しい。そこで、組合や複数企業単位でニーズを集約し、リーダーシップ研修や、商品開発の研修をしながら組織の壁を越えて学ぶ機会が作れたらと、オンラインでの研修の仕組みづくりを担当しました。

また鳥取に来て感じたのは、人事という役職の方はあまりいなくて、総務の人や経営者が職責の中で人事を兼任しているのが大半なのだということでした。

「人事」として仕組みや文化づくりに力を注ぐことができず、働く人の価値観が変わっていく中で、働く人の思いと、会社の枠組みがうまく合わないと、「人が育たない」「すぐに辞めてしまう」「成果が出ない」ということが往々にしてあります。

前職から採用だったり、入社後の育成、会社として成果の出る人事制度づくりのお手伝いをしていたので、地域の企業の方に対しても外部の立場だからこそできる人事サポートに取り組んでいます。

ー藤吉さんが企業研修で大切にされていることがあるそうです。

それは、カリキュラムだけを提供するのではなく、企業の中の人の思いに向き合うということです。実際、先にも書いたように、兼任で人事の仕事をするため、採用や育成研修を作り込むのにも限界があります。また人手不足の中で駆け回って新入社員を採用し、入社後の研修を実施しても、現場の理解が得られずに「なんで採用したんだ」「ちゃんと育ててから配属してくれ」と不満がぶつけられることもあります。

尽力している過程が知られずに、人事は社内でも孤独になりがちな構造がもったいないと、藤吉さんはおっしゃいます。

「会社の未来にどんな人が必要か?」「入社する人にどうなってほしいか?」からともに考え、研修カリキュラムをつくる過程を共有することで、会社がチームとして人に向き合い、人やチームの成長により結果としてビジネスも伸びるというところにつながっていければ、と藤吉さんは考えていらっしゃいます。

現在どのような複業をされているのでしょうか?

主に、県外の企業に対して、人事と広報を外部の立場からサポートしています。

また企業内でも部署が違うと、課題に気づいてもお互い口出しがしづらいことがあります。意見や課題をテーブルの上に出しきちんと話し合いができるよう、経営会議や全社会議などの進行を行っています。

今は特に、会議や研修などもオンライン化されているので、遠く離れた場所でも関わりやすいというのはあります。

全社会議では、問題の追求をするのではなく、お互いの目線を合わせていくこと、未来に向けた話し合いができるように、事前に何を話し合うかの目的の設定から、テーマを決めて、アジェンダの整理、当日の進行、その後のフォローまで、2〜3年の長期で関わらせてもらっています。
現在、数社と仕事をされていますが、週に1〜1.5日ぐらいを複業の時間に設けておられるとのことです。

複業をはじめて良かったことや、課題に感じていることなどありますか?

良かった点

いろいろな知見が得られることだと思います。

実際は、複業をはじめたという認識はなく、以前から複数の担当先を持ち、プロジェクトを推進していくという仕事のやり方だったので、現在は、複数のプロジェクトを並行して進めているという感じです。

以前より考えるようになっのは、何を価値提供できているのかということです。特に人事の関わりは目に見えづらい分、どのような変化や差分を生み出せているかはいつも考えています。

課題に感じている点

切り替えと、自分の中でどのようにバランスをとっていくかということです。

1社の中でも複数の仕事があり、頭の中だけで色々切り替えないといけなくなります。

在宅で仕事をしていることもあり、体は疲れてないけれど、頭が働かないことがある。

考えなきゃいけないんだけど、時間がかかってしまい、生産性が悪いなぁと思う瞬間があります。

ーそのようなときの対応策は?

まずは疲れたら休むこと。

次に子どもとたくさん遊んで、体を動かすと頭が冴えるということがあります。

またお昼休憩でご飯を作ったり、洗濯物をたたむというような目の前にあることに集中すると、頭の仲がスッキリする感覚があります。

在宅だと仕事を詰め込みがちなので、余白をうまく取り入れることが重要かなぁと思っています。

学生人材バンクの働く環境はいかがでしょうか?

自由ですね。

玄洋さんがよく言っていることですが、性善説で仕組みが作られている、ルールもあまりないと思いますが、根底に性善説があるかどうかが大きいと思います。

現在、米子に住んでいますが、リモートで仕事を続けられてきています。

リモートでのやりやすさはもともとあり、職場のメンバー同士ではzoomを利用したり、slackとLINEを併用していますが、オンラインで議論したり、情報共有、意思決定もできるので問題ありません。

都心で働いていた頃は通勤も嫌いではなかったので、本を読む時間にしていたりしていて、その時間がなくなったのは寂しいですが、今は時間を柔軟に組み立てられるようになったと思います。

また今までは仕事が終わって帰ると、どうしても遅くなり、家族で夜ご飯を一緒に食べることができなかったのですが、今は在宅なのと、たまに車で打ち合わせに行っても18時台には帰って来られるので、一緒に食事ができます。

やり残した仕事があるときは、19時や20時から再開できますし、子どもを寝かしつけてからちょっとやろうかということもできたりします。

1日の中で決められた時間に働くというのではなく、自分で時間を組み立てることができるのは、とてもいいなぁと感じています。

複業をしていて感じることを教えてください。

はじめはストレスもありました。

自分で決めなければならない事が増えたので、慣れるまではストレスになっていました。

労働時間という点では、今まででいちばん仕事をしている時期かもしれないですが、今の働き方はしっくりきています。

これまでの自分のキャリアを通して、さまざまな企業の経営者の方々を応援したいという気持ちがあります。

地域の中小企業の方々と仕事をすることが多いのですが、提供している商品やサービスが素晴らしいのはもちろん、思いを持って社会に届けようとしている姿に触れるたび、純粋に凄いなと思います。

自分自身は、「これをするぞ!」と旗を立てることは苦手ですが、経営者の方々は、ビジョンを語って、正解がわからない中、とにかく事業を前へ進めいていく。AかBのどちらを選んでも誰かから批判される立場は、合理的に考えると割に合わない職業のような気もしますが、それでも楽しそうに頑張っている姿を見ると、なんとか力になりたいと思うんです。

経営者の考えが従業員に伝わらないことで、職場の雰囲気が悪くなっていたり、社会に届かないことで商品が知られていない。間に入ることで、そんな状況を解決するお手伝いがしたいと思っています。

経営者の方々は生の知見を求めておられます。私自身がさまざまな会社と関わることで提案できる幅が広がるため、経験が還元できているのではないかなと実感しています。

最後に

リモートワークや複業が許可されているというだけではなく、性善説での取り組みや、働く時間が調整しやすい仕組みがあることにより、多くの課題が解決されていることがわかりました。

これから鳥取で仕事を探そうとしている方や、会社で新しい仕組みを取り入れようとしている方へ、少しでも参考になれば幸いです。

※「営業時間が違う」「閉店している」など、記載内容に間違いがありましたら『記事修正リクエスト』よりご連絡ください。

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ABOUT ME
吉井秀三
鳥取市鹿野町在住。東京で20年間IT関係の会社を経て、鳥取にUターン。 鳥取の魅力的な働き方ができる会社や、面白い働き方をしている個人の情報を発信していきます。