桜が満開の4月上旬に、国指定史跡・鳥取城跡を巡ってきました。
鳥取城の歴史と共に、山麓から山頂までの城跡の見どころについてご紹介します。
鳥取城とは?
鳥取城は戦国時代から明治維新に至るまで、久松山の自然地形を利用して築かれた山城です。
因幡地方の政治拠点として長く存続したことにより、土でできた中世城郭と、石垣でできた近世城郭が併存しています。
日本城郭史上では珍しいことで、昭和32年には学術的・歴史的にも貴重な城郭として国指定史跡に選ばれています。
その鳥取城の歴史としては、戦国時代に織田氏と毛利氏の対立により、二度にも渡り羽柴秀吉の攻撃を受けています。
なかでも特に有名なのが、天正9年に鳥取城将・吉川経家との戦いで秀吉が行った徹底的な兵糧攻め「鳥取の渇え殺し」です。
全国最大級とも言われる強固な包囲網で山全体を幾重にも取り囲み、最後は経家の自刃により幕を閉じたといわれています。
山麓から山頂までの鳥取城跡の見どころ紹介
久松公園として整備されている山麓から、標高263mの久松山山頂に至るまでの鳥取城の見どころについて大きく6つに分けてご紹介していきます。
①三ノ丸跡
鳥取西高側に位置する三ノ丸跡にあった城郭は、池田長吉の時代に鳥取城大改造によって築造されました。
江戸時代中頃以降には藩主の御殿が建てられ、城内の最も重要な場所として発展したそうです。
三ノ丸跡を下っていくと2018年10月に復元工事が完了したばかりの擬宝珠(ぎぼし)橋も見ることができます。
2019年4月8日以降から常時開放されているので、この機会にぜひ渡ってみて下さいね。
②二ノ丸跡
鳥取城山下ノ丸のほぼ中央部に位置している二ノ丸跡。
三階櫓跡や、菱櫓跡、走り櫓跡などがあり、見晴らしもいいので登ってみて下さい。
また、三階櫓石垣には、池田長吉時代の近世城郭工事で大変活躍したお左近の手水鉢を見ることもできます。
この手水鉢を石垣に築きこんだところ、難工事だった三階櫓が無事に完成したという伝説が残っており、三階櫓石垣の修理の際にしっかりと元の位置に復元されています。
他にも二ノ丸跡には当時の歴史が感じられる見どころが数多くあるので、各所に設置されている紹介のパネルを見ながら、じっくりと巡ってみて下さいね。
③天球丸巻石垣展望所
山麓の見どころ紹介の中で、一番高い場所に位置する国内唯一の球面石垣である天球丸巻石垣展望所。
二ノ丸跡より一段高いところにあるため、展望所からの眺めも大変いいのですが、こちらでチェックしておきたいのは「巻石垣」と呼ばれる球面の石垣です。
これは鳥取城でしか見ることができない大変貴重なものです。表御門跡付近の下からも見ることができるので、そちらからもご覧ください。
④本陣山
久松山山頂の山上ノ丸跡から見ることができる本陣山。
こちらが有名な歴史「鳥取の渇え殺し」で秀吉が本陣を構えた山です。
遠くから望むかたちとなりますが、実際に本陣山には巨大な土塁や空堀が当時のまま残っているそうです。戦いの際に築かれた臨時的な土の城としては、日本最大級となっています。
⑤本丸跡
山上ノ丸は、山頂部を数段に切り開いて構築されていて、その中央部の一番高い場所が本丸跡です。
本丸跡では、池田長吉が慶長7年からの城内大改築の際に掘ったといわれる車井戸も見ることができます。
久松山山頂ということもあり、鳥取市街を一望することもでき、ここまで登ってきた甲斐があると思える素晴らしい景色も楽しめます。
⑥天守櫓跡
本丸よりも更に一段高い位置にある「天守櫓跡」。
平面上に切り開かれた地には、季節の草花が咲いており、登山の汗に気持ち良い爽やかな風が吹いています。
そして、なんといっても天守櫓跡からの眺めが素晴らしいです。
南を見れば鳥取市街、西を見れば湖山池、北を見れば鳥取砂丘の一部と日本海が一望できます。
ここまで登ってくるのは少し大変ですが、難しい道ではないのでチャレンジしてみて下さいね。
おわりに
久松山の山麓から山頂までの、鳥取城跡の見どころの数々はいかがだったでしょうか?
今回ご紹介させて頂いた以外にも、まだまだ多くの見どころがあるので、ぜひ実際に足を運んで鳥取城の歴史を感じながら巡ってみて下さいね。
※本記事の情報は2019年4月6日時点のものです。最新の情報は直接取材先にお問い合わせください。
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