末広温泉町にある居酒屋、「旬彩こころび」さんの2号店として2016年の11月にオープンしました。本店は夜の営業だけですが、こちらはランチは定食、ディナーはお酒に合わせたものを提供しています。
オーナーさんの目利きで、納得のいくものだけがお皿に乗るのは本店と同様。生簀に泳いでいた新鮮な親ガニを丼で頂いてきました。
こころび吉成店のある場所
鳥取駅方面から53号線を南、良成方面に向かって道なりに進むと、右手にお店が見えてきます。
こころび吉成店 外装
白をバックに鮮やかで躍動感のある魚介のイラストがインパクト抜群の店頭です。
山陰のうまいもん!こんなにも自信が形になっていることが印象的。
期待をそそられます。
こころび吉成店 お店の中の様子
まずは本店と同じく出迎えてくれる生簀の魚。山陰の海がそのまま運ばれてきたように活き活きとしています。
反対側には旬の松葉ガニが所狭しと。やや小ぶりに見えるものはメスの親ガニです。卵を持っているメスは12月いっぱいで禁猟になるため、今しか味わえない地元の味覚です。
家庭料理としては、半身に割ったものをお味噌汁にしたり、煮汁を使って炊き込みご飯にするのが一般的でしょうか。が、いかんせんオスの松葉ガニに比べて体が小さく、身を取るのがなかなか難しいもの…。
お出汁にするとおいしいというイメージしかありませんでした。(それがこの後覆ります)
入り口の壁面を超えて裏側がカウンター席になっています。板さんたちの仕事ぶりが伺えます。
テーブル席のほかには、
掘りごたつ式の4人掛け個室がありました。こちらの個室は繋げて大部屋にすることもでき、忘新年会や各種宴会に対応してくれます。
こころび吉成店 メニュー
お昼はご飯ものが中心。
単品にご飯やお味噌汁がついて定食になります。
夜のお酒が進むおすすめメニューは、やはりその日限りの一番おいしいものが並んでいます。これこそがこころびの醍醐味です。
そしてこの時期絶対にはずせない松葉ガニ。
フルコースも魅力的ですが、ほぐし身が一品になっているのがなんともうれしい手仕事のよさです。
期間限定メニュー「親がにどんぶり」を注文。
まさに今が旬の親ガニを、豪快などんぶりで頂きました。
このいっぱいにカニ4枚を使っている贅沢さ。実は、親ガニをどんぶりで頂くのは初めてです。
生卵が乗っていますが、あえて崩さずにまずはメインの足肉を。
身の詰まり方に驚きです!ぎゅっと旨みを蓄えて食べ応えは抜群。カニなので淡白ですが風味が強く、主張してくるのにあくまで軽い口当たりです。
続いては内子と呼ばれる甲羅の中の卵に、卵黄をとろりとからめて。
軽い味噌の香りとずっしりいた内子の感触に黄身が合わさって、さながら海のチーズです。
小鉢には白バイ貝。とろっと滑らかで、貝とは思えないほど柔らかです。
火加減に注意しながらじっくりと時間をかけて煮込んでいるからこそ出せる絶妙の硬さなのだとか。
各部位を楽しんだら、最後は甲羅の中身をほぐします。するとボリュームはまさに4倍。
身も卵も味噌も一気に口の中に入るので、旬の塊がどかんときてノックアウトです。
腹肉からは旨みがじゅわーっと。外子はぷちぷちとさっぱりした塩気。一口、また一口とまったく飽きさせてくれません。
ああ食べ終わりたくない、でも美味しい、でも食べたらなくなってしまう、ああでも美味しい、食べなくちゃ…。一口、また一口と減っていくのがもったいない…。
食べ終わるのが寂しいと思ったのは、初めてかもしれません。これが本当の親ガニ。全身に刻み付けたくて、こころから惜しんで食べました。
お店の方のお話
ここまで深い味わいなのに、味付けは塩だけ!まずそれにびっくりしましたが、そういえば、カニって普通塩茹でにするくらいだよね、と再確認。
群を抜いて美味しいのは、やはりオーナーさんが産地にこだわって仕入れているから。以前にも伺いましたが、同じカニでもどこで何を食べて育つのかでまったく違った味になるのだそうです。その上で、一番のものを選びます。
ちなみに小鉢の白バイ貝も塩味だけ。素材から味を引き出すために、余計なことはしないということが一環して貫かれていました。
こころび吉成店まとめ
「おいしいものが食べたくなったら、思い出そう」
そう思いながらお店を後にしました。資源を守るためなので親ガニは今の時期しか食べられませんが、そのほかのメニューもきっと期待を裏切りはしないはず。
仕事ぶりに信頼を持てるご飯屋さん。そんな印象をさらに強くしました。
この次行ったらどんな美味しいものが出てくるのか、毎回が新鮮な気持ちで伺えるお店です。
こころび吉成店の基本情報
※本記事の情報は2018年11月21日現在のものです。最新の情報は直接取材先にお問い合わせください。
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