突然ですが、みなさま「石谷家住宅」へ行ったことはありますか?
中部在住の筆者は恥ずかしながら、今回の取材がはじめて。
「なんで今まで行かなかったのだろう…」と思うほど、素晴らしい建物とお庭で贅沢なひと時を過ごしました。
今回の記事では、定番の撮影スポットや期間限定で開催される展示物をご紹介します。
「石谷家住宅」の基本情報
住所 | 八頭郡智頭町智頭396(MAP) |
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営業時間 | 10:00~17:00 ※最終入館16:30 |
定休日 | 水曜日 ※水曜日が祝日の場合は翌日 |
駐車場 | あり |
電話番号 | 0858-75-3500 |
公式HP | 国指定重要文化財 石谷家住宅 |
SNS | Instagram Facebook |
「石谷家住宅」と専用駐車場は少し離れた場所にあります。
ナビ通りに進むと途中に無料駐車場の看板が見えますので、こちらに停めましょう。
▼駐車場の敷地内にあるコーヒーショップのご紹介はこちらをチェック
「石谷家住宅」とは
そもそも「石谷家住宅」って?
ご存知の方も多いでしょうが、筆者のように「石谷家住宅」に行ったことない!という方に向けて簡単にご紹介させていただきます。
1691年ごろに鳥取城下から移り住み、長い間「大庄屋(地方行政を担当した村役人)」として務めたあと、地主経営や宿場問屋を営んでいました。
石谷伝四郎(1866~1923年)の代に、約10年かけて改築させた大規模な木造家屋が今の「石谷家住宅」です。
石谷伝四郎は、政治家として国政に携わり「因美線」の開通に私財も投じて完成に導きました。
「石谷家住宅」の特徴
山林経営を大規模に行うようになった石谷家は、敷地を拡大し山林経営に適するもの、山林経営に相応しい家屋敷の構えにしてきました。
敷地は広大で、そこに建つ建物、築かれた庭園は、用いている資材、デザイン、施工技術ともに最高の水準にあり、その完成度はすこぶる高いと評価されています。
敷地3,000坪、部屋数は約40と7棟の土蔵、国登録記念物でもある庭園は約400坪の大規模な邸宅です。
館内の雰囲気
土間
入館してすぐ目の前に現れる「土間」は、高さ14mの吹き抜け空間。
上を見上げると大きな梁があり、贅沢な資材が使われた様子がうかがえます。
手作りのほうきやカゴが販売されていました。
和室応接
8畳の書院座敷で、床の間は床柱のない珍しい造りになっています。
縁側も同じく庇柱がなく開放的です。
江戸座敷
撮影スポットとして人気のハートの障子のある江戸座敷は、江戸期の建物。
目の前に広がる庭を眺め、水の落ちる音を聞いていると、思わず腰を下ろしたくなりますね。
庭園
大正以前からある池泉庭園と、それ以降に造成された庭園がそれぞれ独立性を保ちながら、近代和風建築「石谷家住宅」と一体化しています。
季節により変わる表情を楽しめ、訪れる度に新鮮な気持ちになること間違いないでしょう。
庭園は春と秋に特別開放をしています(有料)。次回は特別開放時に行きたいと思います。
神殿室
一部屋に造りつけの拝殿があります。
主人の間の真上に位置し、天井は格の高い「格天井」になっています。
表二階・表の間
主に山番(山で樹を守っている人)の新年会に使用していた部屋です。
欄間には「大山」と「隠岐ノ島」が彫られています。
柱や欄間など、いたる所にこのような細かいこだわり、美しさが隠れており、時間を忘れてじっくり楽しむ空間は、まさに大人の時間です。
喫茶室
今回は時間の関係で利用していませんが、庭園の見える喫茶室があります。
お値段もお手頃で美味しいと評判です。
売店
町面積の93%が森に囲まれた町らしい、木を使用した小物類などが購入できます。
展示室
7つあるうちの3つの蔵が展示室として利用公開されています。
小林博道 秋の竹彫刻昆虫展
【開催期間】2022年9月1日~10月1日
津山市在住のチャーミングなお父さんが在廊されており、楽しいお話を聞かせてくださいました。
煤竹(すすたけ)とよばれる、藁すき屋根に使われていた竹に暖炉の煙が染み込んだ、黒や茶色に変色した味わいのある竹を使用し、昆虫やカトラリーなどの作品を展示販売されています。
ゆらゆら揺れる「バランストンボ」は、大人も子どもも夢中になります。
軽くて丈夫な竹で作られたフォーク、はし、バターナイフなどのカトラリーは、使い心地も抜群!
筆者は、はしを1膳購入しました。今後の取材時にマイ箸として使用します!
10月1日(土)までの開催です。気になる方はぜひ行ってみてくださいね。
「石谷家住宅」のおすすめポイント
日本家屋の美しさを感じられる建物に心奪われます。
慌ただしい日常のなかで、自分だけの時間を過ごし、心を静める場所にぴったりです。
歴史ある建物から、外の景色を眺め、長い廊下を歩きながら昔の人の生活を肌で感じる事ができ、今にも石谷家の人々の生活が見えそうなほど、家全体が生き生きとしていました。
次回はまた違った季節の庭を楽しみ、喫茶室でゆっくりお茶をいただきたいと思います。
※本記事の情報は2022年9月15日時点のものです。最新の情報は直接取材先にお問い合わせください。
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