今回ご紹介する「梅津酒造」は、全国的にも珍しい『生酛づくり』という昔ながらの製法で日本酒を造っている蔵元です。
鳥取にある蔵元が造るこだわりのお酒。
若き社長の思いと、古き良き日本の文化を体感してきました!
「梅津酒造」の場所
〒689-2223 鳥取県東伯郡北栄町大谷 1350番地
民家が立ち並ぶ住宅の一角に蔵元があります。
店舗から少し離れたところに、駐車場がありました。
5台程度停める事ができそうです。
入り口には、のぼりが立っていて目印になります。
生酛づくりとは?
現在は明治時代に開発された手法の『速醸酛』が一般的です。
乳酸という液体を添加する『速醸酛』に対し、『生酛』は生きた乳酸菌が作り出す乳酸を使います。
自然の力で発酵させる為、発酵時間も速醸酛と比べると約2倍の時間がかかります。
日本の文化でもある日本酒。
かつて昔は、精製された乳酸はなく蔵の人々がすべて手作業で行っていました。
生酛づくりは、その製法を受け継いだひとつと言えるでしょう。
蔵見学で日本酒の知識を高める
6代目社長に、蔵の中を案内していただきました。
蔵見学は要予約となっており、事前の問い合わせ必須です。
詳しくは、公式ホームページよりお問合せください。
梅津酒造の代表銘酒である『冨玲(フレイ)』は、現社長の曽祖父にあたる3代目が戦後再出発する際に命名されたそうです。
味わいのある木で作られた階段は、昔懐かしい雰囲気。
昔ながらの土壁。
土壁には、気温や湿度を調整したり耐火機能もあります。
酒造りに適した建物で、お酒が造られているのですね。
お米を蒸す機械です。
後ろに積み上げてある白い袋は『疑似米』と言い、蒸す米の量に合わせて下に敷き詰め蒸し加減を調整します。
続いて、蒸した米を冷ます部屋です。
機械などで冷ます蔵元もありますが、梅津酒造ではすべて手作業で行っています。
触った感触、香り、見た目など五感を使って米の状態を見極めていきます。
通常は見学不可である『麹室』にも特別に入らせていただきました!
取材当日の朝に米を蒸し、麹づくりをされている所でした。
蒸した米に麹菌をつけ、約60時間かけ発酵させ麹を作ります。
梅津酒造のお酒は、麹を大切にしており割合も若干多めに配合しています。
麹が出来上がった後、日本酒のモトとなる『酒母』を作ります。
梅津酒造は『生酛づくり』であり、自然の乳酸菌や酵母菌を呼び込んでいる為、酒母が出来上がるのに1か月程かかります。
酵母菌たっぷりの酒母に、米と麹と水を数日おきに3回に分けて入れていきます。
これを『三段仕込み』と呼び、少しずつ原料を入れゆっくりと発酵させていく工程は、約3週間~1か月程度かかります。
この後、酒を搾ったり、火入れなどをしていきます。
沢山の工程を経て、日本酒の完成です!!
梅津酒造の日本酒を試飲
「梅津酒造」は日本酒の他にも、湯梨浜産の野花梅使用の梅酒や、北栄町産の長芋焼酎などもつくっています。
社長から直接話を伺いながら試飲させていただきました。
沢山のお酒の中に、こんなお酒が!
1991年に造られた、超熟成古酒です。
見た目にも驚きました!
見た目を裏切る?フルーティーでまったりした味わいにさらに驚きました。
※コチラの醸醸は、現在とは違う造り方で造られたお酒です。
令和2年 初しぼり「にごり原酒」
取材する少し前に仕上がった令和2年初しぼりのお酒!
冨玲にごり原酒です。
ドライバーだった、たかおは自分用に購入して自宅でゆっくりといただきました。
微炭酸で、ちょっぴりピリッときました!
梅津酒造のにごりは、甘くないにごり酒。
初しぼりとの事もあって、スッキリと飲みやすくどんなお料理にも合いそうだなと感じました。
スッキリとしている中でも、日本酒の旨味も感じられ最後にキュッと切れる後味に飲みすぎてしまいそうでした。
新商品の情報はFacebook又はInstagramをご覧ください。
おわりに
自分たちだからこそ造れるお酒を造り続けると、信念をもって伝統を守る梅津酒造。
蔵見学の際、こちらの質問にも丁寧に答えてくださいました。
地域との繋がりも大切にされており、現在地元の食材を使った新しいお酒も開発中だそう!
楽しみですね!
日本に伝わる伝統を守り続ける蔵元が、ここ鳥取県あります。
『酒は純米、燗ならなお良し』に重きを置き、お燗で美味しく飲める『冨玲』はこれからの季節にぴったりです!
自然と向き合い、じっくりと発酵させた日本酒を飲んでみたくなりませんか?