どーも、とっとりずむ編集長のさっけーです。
先日、まぶやで開催された大山研究所主催の写真プロジェクト「大山ルーツ」のトークイベント「写真のチカラ、変わる地域。vol.2」に参加してきました。
地域活性化に向けての、地域写真の効果的な撮り方、発信の方法についてなど、まちづくり関係の人必見の内容でした!!
当日の内容について、写真をいくつか撮ってきたので一緒に紹介していきますね。
大山ルーツとは
こっちの大山研究所主催の『地域』×『写真』プロジェクト。鳥取県大山町を拠点に、カメラを通して、まちを歩き、人に会い、仲間をつくり、自分たちのルーツをたどります。
大山町は、旧中山、名和、大山町の3町が合併して、2005年に大山町になりました。
この旧3町をプロの写真家と一緒に歩きつつ、写真を通してまちの歴史やひとの魅力を再発見していきます。
場所について
大山町にあるコミュニティースペースまぶやで開催されました。室内には大山町移住交流サテライトセンターもあります。
まぶやまでの行き方など、詳しくはこちらの記事でも紹介してますよ。
https://tottorizumu.com/mabuya-onigiri/
まちのルーツをたどる写真展
開始時間まで少し余裕があったので、まぶや内にある「まちのルーツをたどる写真展」に行ってきました。
大山ルーツのイベントで撮り歩きした写真が展示されています。
今月の20日から、写真展後半の展示が始まってますよ。
大山町の下市、御来屋、所子の作品など、それぞれの集落の特色が写真から垣間みれました。
地域の「人」をメインとしていましたね。
僕が撮影した写真も展示されていました!!
「人」ではないけど笑 もっと「人」に関しての撮影の仕方を勉強する必要がありますね。
写真のチカラ、変わる地域。vol.2について
当日は県内各地から人が集まりました。まちづくり関係の人が多かったですね。
前回の地域と写真トークイベントが好評だったので、今回の開催に至りました。
大山町地域おこし協力隊の薮田さんの挨拶からスタート。彼女は以前、僕がお世話になっていたお城のシェアハウスのまど間の管理人でもあります。
コーヒーと軽食付き。参加人数は20人近くとアットホームな雰囲気でしたね。
トークイベントは2部制で、1部・2部と共に対談形式。あまりにも盛り上がりすぎて予定の終了時間を少しオーバーしました笑
1部 写真で変わる地域
写真家MOTOKOさんが写真を通して地域がどのように変わっていったのか、実体験を通して話してくれました。
聞き手は大山ルーツを企画している「こっちの大山研究所」の代表 大下志穂さん(アーティスト/アートディレクター)。僕の地元、岩美町のゆるキャラ「いわみん」の生みの親でもあります。
小豆島カメラ、下田写真部などの活動の事例が挙げられました。互いに共通することは地域活性化の取り組みで「地元の人々がモデルとなった写真の展示会」を実施したこと。
ちなみに小豆島カメラはオリンパス、下田写真部はニコンが協賛をしています。
[su_spoiler title=”小豆島カメラ下田ほかリンク(クリックで開きます)” style=”fancy” icon=”chevron-circle”]
小豆島カメラ オリンパス、CMS(写真雑誌ファットフォト)とのとりくみ
https://www.facebook.com/shodoshimacamera/
親サイト
インタビュー/ウェブマガジンキナリノ
https://kinarino.jp/cat6/15505
下田写真部 下田商工会議所、ニコン、CMSとのとりくみ
https://www.facebook.com/shimoda.photo/
その長浜市の農家さんとの取り組みの歴史
マガジンハウスコロカル・田園で夢は叶うのか
http://colocal.jp/area-magazine/no05-shigakohoku/top/
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地域の元気な人、楽しそうな姿を撮影することで地域の魅力を伝えます。
小豆島の事例では小豆島に住む女性7人が、日々の生活で出会う人や風景を撮影することで、地域活性化に取り組みました。
「見たい、食べたい、会いたい。小豆島に行きたい!」がコンセプトで、今では全国的に注目を浴びています。
自治体の観光課のページをみると絶景(見たい)やグルメ(食べたい)は掲載されているのに、実際そこにすむ、素敵な人(会いたい)がはいっていません。つまるところ、絶景(見たい)やグルメ(食べたい)はどこも同じなので、実はきちんと紹介するべきは素敵なまちの人(会いたい)ではないでしょうか。
会いたい人を可視化することでより、その土地の個性が発揮されて、頭一つ抜き出ることができます。小豆島カメラや下田ではそれをコンセプトに「人を撮影すること」を指導してきました。
小豆島カメラはブランディングをするのに、写真雑誌ファットフォトさん、オリンパスさんとともにやっています。
その仕組みは下記のリンクから確認できますよ。
最初の頃は、住民から「恥ずかしいからちょっと」という声もあったらしいですが、今では「写真撮って!!」と言われるまでになったそうです。
みんなで一緒にやっていくことはなかなか大変なことでもありますが、東京のメーカーやメディア、カメラマンといった「外のスタッフ」とタグを組むことで、いままでにない成果が出ているみたいですね。
地域に住む人について写真を通して発信することで「この人に会いたい」「この地域おもしろそう!」と外部の人に感じてもらうことが可能です。
さらに、写真を通して人に会いに行けるような仕組みをつくることで、移住・定住にも繋がります。「新しい商品を開発して地域活性化を!!」とか言う前に、元々ある地域の魅力を発信しましょう。
その地域を担ってきた地元住民にこそ、地域の魅力が隠されています。
色々な写真を撮るなかで一番重要なのは集合写真。
みんなで集まって楽しそうに写っている姿をみると「この地域の人たち仲が良い」「暮らしやすそう」と感じてもらうことができます。
こちらは下田写真部の集合写真です。パッと見ただけでも楽しそうな雰囲気が伝わってきますね。
ちなみに、快適生活マガジンの「ソトコト」は年々売り上げが増加している珍しい雑誌です。理由は有名人やブランドではなく、地域の人にフォーカスしているから。
ソトコトでは、実際の地域の人々に綿密なリサーチを行い、試行錯誤を重ねることで「会いたい」と思ってもらえる紹介をしています。
地元の人々やくらしを見つめて写真に撮る。そうすることがなにより地域の魅力発信となるのではないでしょうか?
2部 地域創生/観光を光らせる地域写真
2部は大山町地域創生本部事務局長の福留さんの話を聞きました。
長年、大山町の観光部門を牽引してきた福留さんだからこそ、分かることがあります。地域創生に関して大山を事例に確信的なことについて話されていました。
少しだけ紹介します。
福留さんは10年以上も前から大山町の観光部門で働かれていました。
その中で感じたことは・・・
大山は富士山に負けないくらいの山がある。でも客がこない。
大山は山と海に恵まれ、新鮮な食べ物がある。でも客がこない。
大山は高野山以上の古い歴史がある。でも客がこない。
こんなに魅力があるのに客が来ない。その理由は一つは・・・・
地域に会いたい人、会える人がいないから。
ソトコトの事例でも挙げたように今、日本はモノからヒトにシフトしています。その地域をつくってきた人々を忘れています。おじいちゃん、おばあちゃんのことを知りません。
福留さんは「もっと地域の人の魅力を発信することが大事」とおっしゃっていました。
ちなみに福留さんは初めてお会いしましたが、とても面白い方でした。
トーク中では「福留さんを発信すべきだー!!」って声が多かったですね笑
素敵なまちは観光地になる
観光は観光、まちづくりはまちづくりで分けて考えてる地域が多いです。
しかし、観光とまちづくりを分けて考えることはもう古い。一緒にして考えましょう。
そこで効果的なのが写真。年齢問わず誰でも始めれますしね。写真だからこそ、伝えれることもあります。
地域の人を写真を通して発信し、どれだけ素敵なまちなのかをPRしましょう。
現代はFacebookやTwitterなどのソーシャルメディアの発達によって、個人でも発信力をもてるようになってきました。
しかし、人の顔がでない発信が多いのが現状です。それではまちの魅力を上手く伝えることができません。
それは、先日行ったLIGのセミナーでも強く実感できました。LIGが発信力のある理由の一つは、人の顔を出して、文字やモノには出せない親しみ、温かみを出しているから。
今回のイベントから学んだことと何か繋がるものを感じました。
https://tottorizumu.com/lig-tottori/
たとえ観光資源がない地域だとしても、写真で「人の魅力」を発信し「素敵と思えるまち」をPRできれば、観光地になる可能性もありますよ。
より効果的に発信するためには、小豆島カメラや下田写真部のように、カメラメーカーと、カメラ雑誌など、民間企業とタッグすることがおすすめです!!
どの地域にもチャンスはあります!!!
地域写真、はじめてみてはどうでしょうか?
今後の取り組みについて
大山町では今後も大山ルーツのイベントを開催していく予定です。
今まで以上に、地域に根付いた活動になることを期待したいですね!
写真右:大下志穂 左:薮田佳奈
最後にこちらがイベント後の集合写真です。
話し手・聞き手について
話し手
■プロフィール
●MOTOKO(もとこ)
1966年大阪府生まれ。1990年大阪芸術大学卒業後、1992年に渡英する。帰国後、1996年からプロとして活動を開始。2007年から滋賀県の農村をテーマに写真とテキストで記録された「田園ドリームプロジェクト」をスタート。2013年小豆島で暮らす60歳以上の男女の顔写真を撮影した「小豆島の顔」プロジェクトを開催。近年”地域と写真”をテーマに「ローカルフォト」という活動を小豆島をはじめ、さまざまな地域で行っている。著作に『Day Light』『京都』など。
聞き手
■プロフィール
●大下志穂(おおしたしほ)
1975年米子市淀江町生まれ。大山町在住。青山学院大学卒業後、タイへへ渡り6年を過ごす。2006年バンクーバーに留学、3Dアニメーションを学んだ後、東京にて現代アーティストのもとアニメーション・映像制作に携わる。2009年Uターンし、アニメーション、絵画、造形やキャラクターデザインなど、幅広い分野で創作活動を行う。近年、「地域」と「アート」をつなぐさなざまなプロジェクトを企画運営する。「大山アニメーションプロジェクト」「大山ガガガ学校」「大山ルーツ」など。こっちの大山研究所代表。築き会副代表。